
Photo: Brian Rea/The New York Times
Text by Arlon Jay Staggs
かなり心配性な母から、筆者はiPhoneの位置情報をいつも見られている。いい大人なのにそれを許すことは、おかしいのだろうか。
この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。
母を安心させるどころか不安を煽るGPS
「あなたがどこにいるか見えないんだけど、どうして?」
母がそう連絡してくるたび、僕はiPhoneの位置情報共有を止めたことを白状するのではなく、とぼけたフリをする。「iOSがアップデートしたんだと思う」と嘘をつくのだ。母親から同じようなことを訊かれるティーンエイジャーたちは恐らく、こんな気持ちなのだろう。
ただし、僕は10代ではない。50代である。
「あら、そうなの。なら直せる?」と母。「わかったよ、母さん」。そうして僕はまた、位置情報の共有機能をオンにする。
「あら、そうなの。なら直せる?」と母。「わかったよ、母さん」。そうして僕はまた、位置情報の共有機能をオンにする。
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